お米のこと
無の会のお米はコクがあるのに後味はすっきりとしていて、冷めてもおいしさがずっと長持ち。
ホンモノのお米は、食べた人から自然と笑みがこぼれます。
そんなお米は、環境にも健康にもよい農法で作られています。年を追うごとに土や生態系を豊かにし、食べた人も元気にする。そして、何よりも美味しい!
2005年の設立以来わたしたちはそんなよくばりな農法を追求しています。
お米栽培の流れ
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水稲苗の露地栽培
無の会の苗づくりは、ビニールハウスの中ではなく、あえて路地(田んぼ中)で行います。
朝晩はとても冷えるため、割符や有孔ポリをかけて保温をして、日が昇るとはがして太陽の陽に当てます。
常に比較的寒い場所で育てることで、苗をゆっくり強く短く育てることが狙いです。 -
堆肥振り・うない方・代かき
4月に入り雪が解けたら、だんだんと堆肥振りとうない方(トラクターで耕すこと)が始まります。冬の間熟成させた堆肥を土の中にすき込みながら耕転することで、微生物とゆっくり効きつづける肥料分を供給します。
田植えの3日前には、田に水を張り代かきをします。均平をとりつつ土に新しい空気をきょうきゅうするのが狙いです。
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田植え
無の会の田植えは特殊な“カミマルチ田植え”です。一巻20㎏の専用の紙を専用のカミマルチ田植え機にセットして使います。
カミマルチ田植えの天敵は「風」です。少しでも風が吹くと、端からめくれてしまう心配があるため、風がない早朝3時半(日の出前☾)頃から作業を始めます。5月中旬から6月上旬にかけて、早朝の無の会圃場では、カエルの声と田植え機の音だけが静かに響き渡ります。
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深水管理
田植えが終わったら、その日から田んぼの深水管理が始まります。貼った後すぐのカミマルチは、まだ土とくっつききっていません。
そんなときに苗が隠れきらない程度の深水を維持することで、絶対に乾かさないことはもちろん、水の重さで紙と土のくっつきを促すことも目的です。
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浅水管理
田植え後から6月上旬にかけて深水管理をしたら、次は浅水管理が始まります。
朝水管理の目的は、太陽の光で土を温めて、土中の微生物の動きを活性化させたり、土壌中の栄養の発現を促すことを目指します。
言ってしまえば、深水管理は紙のための水管理。朝水管理は苗のための水管理なのです。
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草刈り
無の会のお米作りでは、田んぼ周りの草刈りを4回行います。
特に大切なのは、7月末ごろに行う“カメムシ対策の草刈り”です。若草を好むカメムシが大量発生する8月中旬に、稲に代わって、刈られたところから伸び始まった若い雑草をカメムシにたべてもらうことを意図して行います。
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稲刈り
稲刈りは早生品種を刈り取る9月上旬から始まり、旭などの超晩生品種を刈り取る11月中旬まで続きます。
特にコシヒカリや福笑いの収穫ピークの9月下旬~10月上旬は、毎日毎日一日中稲刈りです。
田植えとは逆で、早くても朝露が消える9時半くらいから始まりますが、キリが悪いと日が暮れるまで作業が続くこともあります。 -
乾燥・籾摺り(もみすり)
無の会は農協に米の乾燥・選別作業を依頼することなく、自前の設備で収穫された籾を玄米にするところまで一貫して行います。
収穫した籾を半日かけて乾燥したあと、メンバー全員で交代しながら、ひたすら籾摺り作業は続きます。時には日付が変わるまで続くこともありますが、分担して無理なく作業を進めていきます。
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秋うない(秋のトラクター耕運作業)
稲刈りが終わった後、できるだけ早く田んぼをトラクターでうないます。田んぼ一面に残された藁や稲の根っこ(稲株)を土に混ぜ込むことで、春先にはほとんど分解が進んだ状態を作ります。
この“分解”ということがものすごく大切で、会津のような寒い地域で強い米を作るために、秋うないは欠かせません。江戸時代に書かれた「会津農書」にも、その大切さが記されています。
次の年の作付けがうまくいくかどうかがこの秋の作業で決まると言われているくらいで、有機栽培の年度転換点は収穫後だとも言われます。(9月から新年度)
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収穫祭
秋の実りに感謝して、仲間たちと収穫祭を行います。餅をついたり、秋野菜で料理を作ったり。半年間を振り返り、来年に向けたことも話しながら過ごす時間です。
無の会で栽培している米の品種
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コシヒカリ(Ku)
日本で一番作られている品種”コシヒカリ”ですが、古くから最高級の米が実る会津という地で、自然の摂理に即して作られた無の会のコシヒカリは別格です。
全国の平均的なコシヒカリの粒の厚みは1.80mm~1.85mmですが、無の会のコシヒカリは、一粒の厚みが1.90mmを超える特Aランクです。
おかずがいらないと思えるくらい、お米だけで満足できる美味しさがあり、炊き上がりの高い香りは食欲をそそりますよ。 -
ひとめぼれ(Ku)
コシヒカリよりも早く収穫できるひとめぼれは、新米の販売開始が待ちきれない方のために栽培しています。笑
一般的に収穫が早いお米は、味が薄くなりがちですが、このひとめぼれはあっさりとしつつも、十分なうまみが愉しめます。 -
福、笑い(TEN)
福島県が14年かけて開発した「福、笑い」という希少品種です。
米粒の厚みは1.95mmを上回り、炊き上がりの粒の大きさには目を見張るものがあります。
コシヒカリよりも炊きあがりの香りが高く、よりすっきりした味わいが特徴です。「福、笑い」は、無の会の田んぼの中でも特に地力の高い田んぼを選んで栽培しており、無の会の堆肥の力を存分に味わえます。
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里山のつぶ
福島県が中山間地域向けに開発した品種。主に標高300m以上の冷涼な里山で作付けされ ています。 早生品種ながら粒張りが良く、粒も大きく、しっかりと食べ 応えを感じられるのが特徴です。
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こがねもち
つき上げた餅が白く黄金色に輝くことから、その名がついた、全国的によく栽培されているもち米です。
香りと甘みが最高です。 -
農林21号(KAI)
かが有機農法研究会さんの熱意と努力によって蘇った幻のお米。農林1号と旭を掛け合わせて作られており、「一番旨い米は農林21号だ」と食通から支持され、高い評価を受け続けてきました。
すらっと真っ直ぐ天に伸びる稲穂は健康そのもので、見ていて惚れ惚れします。
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旭(KAI)
明治時代に京都府乙訓郡向日町で発見されたお米で、「東の亀の尾、西の旭」と名を馳せた片割れの品種です。
向日市の筍農家さんから種籾をもらい受け、2023年から栽培を始めました。西日本の気候に適応している晩成種ですが、昨今の異常気象のおかげで、栽培の北限が上昇し、会津でも作れるようになりました。
味はピカイチで、一度旭を食べたら、ほかのお米では満足できなくなってしまう人が続出中。
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亀の尾(KAI)
明治時代に害や病害虫に強いお米として、人気を博し、一時は東北・北陸地方を中心に、台湾や朝鮮半島でも生産されていたお米です。
長い“のげ”が風に揺れ、西日を受けて銀色の波となる様は、まさに自然の芸術。田んぼ一面に息を呑む光景が広がります。
自家採取を繰り返されたことで変異や混入を繰り返しており、一説によると“亀の尾”は全国に40種類以上あるんだとか。
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白和世(KAI)
平安時代から作られていた記録のある伝説のお米で、2025年から試験的に栽培を始めます。
その特徴は何といってもタンパク質含有量が普通のお米の約2倍あるところ。これだけ食べていれば生きていけるお米なのかもしれません。
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五百万石
全国の寒冷地で作られている、早生の酒米です。大粒で心拍が大きいため、麹菌が広がりやすく、酒造りに適しているようです。
近所の酒蔵(白井酒造)に卸させて頂いていて、有機米を使った日本酒のシリーズ「風が吹く」の材料となっています。
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福の香(ふくのか)
15年の歳月をかけて、福島県が育種した酒造好適米です。
五百万石同様に「風が吹く」シリーズの材料となっているほか、無の会で作る米麹の材料にもなっています。
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山田錦
言わずと知れた酒米のドン。兵庫県産が有名ですが、異常気象を受けて、会津でも栽培できるようになりました。
