夢来人 ようくん

 大島が高校生の頃から付き合いがあった後輩が、農園に来てくれました。農園メンバーとの会話や農作業を通して、なにやら気づきがあったようです。

 私が無の会を訪れたのは、ここで働かれている高校時代からの先輩である大島さんと電話をしていたときに、「今のお前を受験生の頃のお前が見たら悲しむんじゃないか?」と言われ、「 確かに。」と思ったことがきっかけでした。大学受験に躍起になっていた高校生・浪人時代は、大学に行ったら世界が開けて楽しいことがたくさんできるんだろうと意気込んでいたのに、いざ入学してみたら、みんなと同じようにサークルに入り、勉強し、飲み、私はいわゆる普通の大学生活を送っているだけでした。何か決定的な決断を自分で下すこともできず、新たな人間関係を築いても上辺の会話ばかり、というような納得の行かない生活を送りながらも、周りのみんなも同じような生活をしているだとか、自分はいい大学に合格できているから能力の高い人間であるだとか、無駄な自尊心で自分の現状を振り返ることをせずに成長の機会を逃し続け、気付いたら 22 歳になっていました。

 そんな自分にとって、無の会での生活は真逆のものでした。これから来るかもしれない食糧危機の話題や、それを起こさないために必要な持続可能な農業の取り組みの話には驚かされ続け、現在日本で一般的に行われている農業がいつまでも続けられるものではないということを、丁寧に説得力を持って教えていただいて、農作物に対する見方が変わりました。また、毎日に内省の時間があることが自分にとってはとても新鮮でした。早寝早起きの規則正しい生活を基本として、裸足で大地を踏みしめながら農作業をし、自分たちが収穫したものを食べ、会津の街を囲む青々とした山々や田畑を眺めました。ここには気を紛らわせるような娯楽施設もなく、自分にとって足りない部分を考えるにはこれ以上ない環境でした。
 これからは目に見えているものだけに囚われずに謙虚に生きていくことを心がけようと思えました。色々と未熟な自分でしたが、1週間本当にお世話になりました。自分を初めて見つめ直した1週間として、絶対に忘れません。

P.S. 訪れた時はロン毛でしたが、なんと今はボウズとなりました!髪の毛が伸びるたびにその分の成長ができたか確かめられるようにするために自分の手で剃りました。また農業をお手伝いしに、自分を見つめ直しに行かせてください。

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