無の会便り4月号

今月号のコラムは、無の会代表児島徳夫がお送りします。

 私が自然農法無の会を設立してもう19年になります。始めた頃の自分を思い返してみると、本当にバカだったと思う。「百姓なんて馬鹿でもできる。化学肥料や農薬などはダメだ。これから有機農業だ」など口角泡を飛ばしながら、軽く取り組んだのが、苦難の始まり、そして失敗の連続であった。「この有機肥料を入れれば、この育て方をすれば、この微生物を使えば・・・」いろいろ試してみたが、どれも思うような成果が出なかった。田10aあたり2俵 (注:通常、有機栽培だと6~7俵) 、畑は草だらけ、とても人に見せられるような農業ではなかった。

 「どうして上手く行かないのだろう。こんなに勉強して努力しているのに。」いつも自問自答の毎日だった。そんな時、小祝先生のブロッフ理論 (BLOF理論) と会津農書に出合った。それらを勉強したとき、自分の世界そのものが一変したと言っても、過言ではない。小祝先生には、「生命すべて抱合する自然の法則は、年月を経ても、なんら変わることはない。その法則は複雑そうに見えてとてもシンプルで、素直に学んで農業をすれば新しい世界が広がるよ。」この法則を簡単に化学式で説明されたとき言い知れぬ感動を覚えた。そして小祝先生が会津農書を読んだとき「私はショックをうけました。私の理論が300年前に分かっていたなんて。」の言葉を耳にしたとき、真理は今も昔も変わらない、真理を求め、常に新しいものを見つけていかなければならないことを痛切に思いました。このような姿勢を農書では「天の道(自然の法則)地の利(土壌の状態)人の為(合理的な精神と努力)をきちんとすれば、豊作が約束される。神様に祈ってはいいですが、頼ってはいけません。」と説明されている。難しい理屈はさておき、自分で感じ、自分で考え、そして作物の気持ちになって育てることが、本当の百姓になることだと実感した。

 人生70年を振り返れど、本当に自分はバカだったなとつくづく思う。独りよがりの変な世界に入り込んで、現実そのものを素直に見られなかった。ありのままの現実をそのまま受け入れ、自分の分をわきまえ、そして成功しようが、失敗しようが、今なさなければならないことをもくもくとやる。その地道な積み重ねが未来に通じる道を見つけ出すと思う。皆さん、奇跡はありません。「金がない、頭が悪い、あの人が悪い」等々の愚痴を言ってもかまいませんが、金がないときは、金のある人のところに、頭が悪い場合は、頭のいい人のところに、悪いひとはできるだけ避け、よい人のところに、一番肝心なのは、これらを見極める感性を持つことです。この素直なこころを持つには、邪念を振り払って楽しく、そしてもくもくと農業をやることが一番です。

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